こんにちは!サイドFIREを目指している30代サラリーマンで2級FPのちりすけです。
保険シリーズ、第3回目の今回の記事では、以下のような悩みを持つ方に見てほしい記事となっております。
自動車保険と火災保険はみんな入っているけど、本当に必要なの?
子供が2人いるけど学費はどうやって準備すればいいのかしら
自動車保険と火災保険がなぜ必要か説明していくね。
あと、学費を準備する方法にも触れたいと思います。
結論 本当に必要な保険は自動車保険と火災保険!学費の準備は奨学金と積立NISA!
保険シリーズ1回目、2回目と説明してきましたが、3回目の今回は民間の保険を強く推奨します。
というのも後述しますが、車、家を持つ方向けの公的な保険は存在しないからです。
車を持つ方であれば、自動車保険に加入すべきだし、家を持つ方であれば、最低限、火災保険には加入したほうが良いです。
また、学費の準備については積立NISAで準備しつつも、奨学金を借りることをおすすめします。
では、なぜこのような判断をしたか説明していきます。
また、参考までにちりすけが入っている保険は下記になります。
4人家族で車あり、家ありのちりすけが入っている保険
- 自動車保険(自賠責保険、任意保険)※任意保険の車両保険、搭乗者障害保険はつけていません。
- 火災保険 ※地震保険はつけていません。
民間保険の選び方(車、家、学費について)
まず保険を検討する際の大前提として、漠然と不安だから保険に入るのではありません。
もしも、ケガ等が起こった時に、公的な保険や貯金では対応出来ない部分について民間の保険を検討する必要があります。
極論、お金持ちの方であればほとんどの民間保険に入る必要はありません。
公的な保険はどれくらいある?
まずは下記一覧表をご覧ください。
保険が必要な状況 | 公的保険など | 民間保険 |
---|---|---|
自動車の事故 | なし | 自動車保険 (自賠責保険、任意保険) |
持ち家の損害 | なし | 火災保険、地震保険 |
子供の学費 | 奨学金の貸与 ((独) 日本学生支援機構) | 学資保険など |
自動車、家、学費について公的な保険と民間保険の状況をまとめました。
見てわかるように、車、家のリスクに対する公的保険などはありません。
このような状況でこそ民間保険が必要になってきます。
また、子供の学費については、保険ではないですが、公的な機関が行なっている奨学金の貸与があります。
車や家はすべての人が必ず持つものじゃないから公的保険がないのかもね。
奨学金の貸与を利用できるかどうかは日本学生支援機構が定めた条件によって決まります。
自動車保険(民間保険)の説明
まず、自動車の事故に関する民間保険は自動車保険があります。
自動車保険の概要
自動車保険にはおおまかに分けて2種類あります。
- 自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)
自動車事故の被害者救済を目的とした保険であり、補償範囲は対人事故の損害賠償のみとなります。強制保険であり、車を持つものは加入していないと法律等で処罰を受けるほか、車検も通りません。
- 任意保険
自賠責保険で足りない分の補償を上乗せするための保険です。
主要な下記4種類の保険をまとめて任意保険と呼ばれていますが、最近は弁護士をつけてもらえる弁護士特約や自転車事故の補償をする自転車特約などもあります。
・対人賠償保険:対人事故の損害賠償(自賠責保険の支払い限度額を超える分)を補償する保険です。
・対物賠償保険:他人の自動車などのモノを壊した際の修理費用や買い替え費用などを補償する保険です。
・人身傷害保険、搭乗者傷害保険:運転者自身や同乗者が死亡したり、ケガをした際の損害を補償する保険です。
・車両保険:自分の自動車が破損した際の修理費用や買い替え費用などを補償する保険です。
まず自賠責保険の説明をします。
自賠責保険は民間保険というものの強制保険ですので、車を持っている方は必ず入る必要があります。
下記が自賠責保険の補償内容ですが、あくまで車を持つ方の最低限度の義務を果たす保険ですので、自賠責保険だけでは補償が足りません。(損害賠償額が億を超えることも珍しくないです。)
自賠責保険の補償内容
死亡による損害 | 最高3000万円 |
後遺症による損害 | 最高4000万円 |
障害による損害 | 最高120万円 |
続いて任意保険についての説明をします。
任意保険は複数の保険をまとめて任意保険として呼ばれており、名称のとおり任意で入る(強制ではない)保険です。
多くの方は任意保険に入りすぎているため、必要な保険のみを選ぶことで、リスクは減らすけれども、固定費を削減できます。
自動車保険(民間保険)のおすすめ
まず、自賠責保険は強制加入ですので、車を持つ方は必ず入りましょう。
では、次にどの任意保険が本当に必要か1つずつ考えていきます。
まず、対人賠償保険についてですが、これは必要な保険です。
また、補償内容は無制限にしましょう。自賠責保険で最低限補償されるとはいえ、損害賠償額が億を超えることも珍しくないため、全然足りません。
保険料についてもそこまで高くならないためぜひ無制限をおすすめします。
次に対物賠償保険ですが、この保険も必要です。
この補償内容についても無制限にしましょう。対物についても損害賠償額が億を超える場合があります。
対人同様、保険料もそこまで高くならないので、無制限をおすすめします。
3つ目の人身傷害保険、搭乗者障害保険については必要な保険ですが、どちらか片方だけでOKです。
どちらも運転者や同乗者がケガをした際に補償されますが、補償金額の出方に違いがありますので、下記表をご覧ください。
保険の種類 | 股関節骨折(治療費100万円) | 股関節骨折(治療費50万円) |
人身傷害保険 | 100万円全額支払い | 50万円全額支払い |
搭乗者傷害保険 | 症状部位ごとに決められた金額 70万円 | 症状部位ごとに決められた金額 70万円 |
このように人身傷害保険は契約時に設定した補償金額までの損害であれば、全額支払われるのに対して、搭乗者傷害保険は規約で決められている金額のみ支払われます。
これらを踏まえて、契約した金額までの損害を確実に補償できる人身傷害保険をおすすめします。
なぜなら、表のようにまだ手持ちでなんとか出来る金額であれば問題ありませんが、数千万レベルの損額になった時、保険屋さんから「規定の保険金しか出せません。」なんて言われると一般家庭では対応できなくなってしまうからです。
最後の車両保険については必ずしも必要ではありません。
なぜなら、今までの保険はもしもの時に必要となる金額が1億円を超えたり等、リスクが非常に高いのに対して、車両保険は上限が自動車の買い替え費用となるため、一定の貯金があれば対応可能だからです。また、自動車の損傷はよく起こるため、保険料が高く、一度修理のために保険を使うと次年度の保険料も上がってしまいます。
現在貯金が少ない方や、盗難される恐れがあるような高級車に乗っている方であれば入って良いかもしれません。
ちなみに、私は搭乗者傷害保険と車両保険には入っておりません。
ざっくりですが、普通乗用車、年5000km走行、20等級の条件で保険料は年間2万円を切っています。
かなり安めなんじゃないかしら。
火災保険と地震保険(民間保険)の説明
持ち家の損害に関する民間保険には火災保険と地震保険があります。
火災保険と地震保険の概要
- 火災保険
基本として火災や落雷などの自然災害や爆発、破裂などの損害を補償します。火災保険の中でも「建物」と「家財」の2種類あり、住宅ローンを借りるのであれば、火災保険「建物」は加入必須です。「家財」は任意となっています。
補償金額は「建物」が保険会社の評価によって決定し、「家財」は申請者の申告によって決定します。
- 地震保険
地震による火災や噴火、津波などの損害を補償します。地震保険単独で加入することはできず、火災保険とのセットになります。補償金額は火災保険の30%〜50%の間を選べます。
まずは火災保険の説明をします。
基本的な補償範囲は火災、落雷などの自然災害や爆発、破裂などの損害ですが、別途水災、雪災、風災などの自然災害や水濡れ、盗難、破損・汚損をオプションで補償範囲を広げることもできます。地域の特性やハザードマップを確認して補償範囲を広げるかどうか検討するといいと思います。
また、火災保険には「建物」と「家財」の2種類があり、「建物」の補償金額は、保険会社が建物の評価額を決定し、それを基にして申請者が決定します。(保険会社の評価額をそのまま補償金額にする方も多いですね。)
「家財」の補償金額は申請者が決定します。(いくつかの選択肢がある中から選んで決定することが多いです。)
次に地震保険の説明をします。
補償範囲としては、地震による火災や噴火、津波などの損害を補償しますが、単独で加入することはできず、火災保険とのセットで加入する必要があります。
補償金額としては火災保険の30%〜50%を選べますが、ここから更に被害の大きさによって契約金額の支給割合が4段階に変わります。(100%、60%、30%、5%)
また、保険料は火災保険と比較して2倍以上になることもあります。詳しくは、「日本損害保険協会」などのサイトで保険料をシミュレーションできますので、お試しください。
ここらでお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、実は地震保険の補償のみで家を完全に直すことはできません。あくまで地震という災害にあった時、他に住むところを確保するなどの当面の生活に必要な資金を準備する目的で入るのが正しい地震保険の使い方です。
火災保険と地震保険(民間保険)のおすすめ
火災保険「建物」については家を持つ人であれば全員におすすめします。補償範囲だけは、住んでいる場所によってリスクが異なるため、地域の特性や、ハザードマップを確認して、災害に備えましょう。
火災保険「家財」についても、保険料も安いのでおすすめできます。金額をご自身で選べるので、これだけは補償してほしいといった高価なものがどれくらいあるか調べてから加入すると良いと思います。
地震保険については、正直なところおすすめしません。生活防衛資金を準備して備える方が地震などの災害対策になると私は考えています。現在、生活防衛資金がなく、準備できる気がしない方は入って良いかもしれません。
私は火災保険「建物」と「家財」両方とも入っています。
地震保険は保険料が高かったので、入っていません。
火災保険の補償範囲を決めるときはハザードマップを確認したよね。
子供の学費準備(奨学金、学資保険、積立NISA)の説明
子供の学費を準備する方法の概要は下記のとおりです。
子供の学費準備概要
- 奨学金
一般的にJASSO(独立行政法人 日本学生支援機構)が貸し出しているものを指します。
奨学金には2種類あり、給付型と貸与型があります。
給付型は返済しなくてもよいが、申し込み条件が厳しいため、貸与型を借りる方が多いです。
貸与型にも2種類あり、無利子と有利子のものがあります。
- 学資保険
子供の学費を貯める目的の民間保険です。ただし、返戻率(支払ったお金に対して、返ってくる金額の割合)は低金利の2023年8月現在で105%程度となっています。
- 積立NISA
株式などの資産運用で出た利益に対して税金を免除してくれる制度です。2024年から、毎年360万円分までの資産運用の利益に対して税金がかからず、最大1800万まで資産運用していても税金がかかりません。途中で売買して、現金として引き出すことも可能です。
奨学金の説明
JASSOの奨学金には給付型と貸与型の2種類ありますが、よく借りられているのが、申し込み条件のやさしい貸与型になります。また、貸与型の中でも無利子と有利子の2種類があり、申し込み条件は下記のとおりです。
<貸与型 大学進学前(1年前)に申し込む場合>
無利子 | 有利子 | |
申込条件 | 以下のいずれかに該当する方 ・高等学校等を卒業予定の方 ・高等学校等を卒業後、2年以内の方 ・上記以外でJASSOの定める基準に該当する方 | |
学力基準 | 以下のいずれかに該当する方 ・高等学校等における全履修科目の評定平均値が5段階評価のうち、3.5以上ある方 ・高等学校卒業程度認定試験合格者である方 ・上記以外でJASSOの定める基準に該当する方 | 以下のいずれかに該当する方 ・高等学校等における学業成績が平均水準以上と認められる方 ・特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる方 ・進学先の学校における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる方 ・高等学校卒業程度認定試験合格者である方 |
家計基準 | 生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円であること (世帯年収803万以下が目安となります。※1) | 生計維持者の貸与額算定基準額が381,500円であること (世帯年収1250万以下が目安となります。※1) |
※2 より詳細が知りたい方は「JASSO 奨学金について」をご覧ください。
2023年8月現在、奨学金を借りられる金額については、無利子が最大64,000円/月(私立かつ自宅外から大学へ通学する場合)、有利子が最大120,000円/月(私立の歯学部、医学部は40,000円/月 増額することが可能)です。
また、有利子と無利子を併用して借りることも可能ですが、無利子単体で申し込む時よりも家計基準が厳しくなります。
(上表の場合だと、世帯年収が743万円以下が目安となります。)
そして、有利子で申し込んだ時の利子については下表をご覧ください。
<令和5年度 奨学金 有利子 貸与利率 年利(%)>
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||
基本月額 | 利率固定方式 | 0.737 | 0.637 | 0.537 | 0.637 | 0.905 |
利率見直し方式 | 0.200 | 0.168 | 0.050 | 0.090 | 0.300 | |
増額分 | 利率固定方式 | 0.937 | 0.837 | 0.737 | 0.837 | 1.105 |
利率見直し方式 | 0.400 | 0.368 | 0.250 | 0.290 | 0.500 |
利率は貸与が終了した月に決定されます。
表は令和5年度8月分までの利率であり、毎月見直されています。
最新の有利子の利率をご覧になりたい方は「有利子奨学金最新利率」をご覧ください。
また、利率固定方式は利率が返済期間中ずっと変わリません。
それに対して、利率見直し方式はおおむね5年で見直されます。
どちらも年3%が上限となります。(基本月額分について)
利率をどちらで算定するかは申し込み時に一旦決めますが、在学中に変更できますので、貸与終了の半年前程に見直すと良いのではないでしょうか。
現在は超低金利が続いているので、利率見直し方式だとほとんど利子がないけど、今後も続く保証はないからしっかりと奨学金を返済できるように資金を準備しようね。
学資保険の説明
子供の学費を貯める目的で加入する保険ですが、近年は低金利の影響もあり、返戻率がとても低く、最大でも105%程度です。(返戻率:支払った金額に対して返ってくる金額の割合。)
また、中には保障を手厚くする代わりに元本割れしている本末転倒な学資保険もありますので、シミュレーションを行い返戻率をよく確認する必要があります。
積立NISAの説明
保険ではなく、株式などの資産運用を行なって出た利益に対して税金を免除してくれる国の制度です。2024年からは毎年360万円まで株式などを新しく購入することができ、最大1800万円分までの資産に対して税金がかかりません。
適切な投資対象に長期間投資することで老後の為の資産形成に役立つと国がおすすめしています。
また、お金が必要になったときは、途中で資産を売却してお金を引き出すことも可能なので、子供の学費がわりにも使えるし、老後の資金として使うこともできます。
子供の学費準備(奨学金、学資保険、積立NISA)のおすすめ
子供の学費準備としておすすめする方法は、奨学金を借りつつ、積立NISAで資産運用を行うことです。
奨学金は条件があるため、誰でもは借りられないですが、借りることが出来る人は借りることをおすすめします。
もちろん資産運用なので確実に利益が出るわけでもないし、元本割れするリスクもあります。
しかし、株式などの資産運用では資産を短期保有で売買するよりも、長期保有して売買する方が損するリスクが少なくなるという実績も出ています。(詳しくは下記記事をご参照ください。)
奨学金を活用することで学費を準備する期間を伸ばし、その間も資産運用を行うことで、効率的に学費を貯めることが出来ると考えています。
僕も積立NISAで学費と老後資金を貯めているよ。
子供の大学進学時には奨学金を借りることで、手持ち資金の枯渇を防ぎつつ、資産を運用する期間が伸びることでリスクも経済的な負担も減らすことができます。
まとめ 車と家には自動車保険と火災保険!学費の準備は奨学金と積立NISAを活用しよう!
今回の保険シリーズ第3回目の記事では、車と家のリスクと学費の準備についてどの保険が良いか?あるいは保険以外の選択肢はあるのかについて話しました。
流れを3つに分けておさらいすると、1点目が「車のリスクについては公的保険がないので民間保険である自動車保険(自賠責保険、任意保険)に入りましょう。」
2点目が「家のリスクについても公的保険がないので、最低限、火災保険に入りましょう。地震保険については、生活を再建できる保険ではなく、保険料も高めなので、無理に入る必要はありません。」
3点目が「学費の準備については、学資保険は利率が良くないためおすすめせず、積立NISAで資産を運用しつつ、奨学金を活用することで、手持ち資金の枯渇と資産運用のリスクを同時に減らすことが出来ます。」
この記事を読むことで、1人でも多くの方が不要な保険に入らず、自分で納得した本当に必要な保険を選ぶことが出来るようになってくれたら、ちりすけはとても嬉しいです。
保険の記事は情報が多く、一度ではなかなか頭には入らないかもしれませんが、保険はとても高いお買い物かつ、人生に密接に関わるものなので、何度でも読み返していただければ幸いです。
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